職業柄、上記のテーマについてよく考えます。
成績の良い子に見られる共通点を探して、そうでない子をどう伸ばすかを考えたいからです。
塾をやっている以上、来てくれた生徒すべての成績を上げたいと心から思います。
しかし、実際には伸ばしにくい子もいます。
伸ばしにくい子の特徴を一言で言うと、「塾を休む子」です。
当たり前な答えですいません。
授業を組み立てるとき、下の学力の生徒でも理解できるように考えます。
学力の一番低い子が理解しやすいように、当該学年よりも前の学年の復習をすることもあります。
しかし、授業を始めようとすると、一番念頭においていた学力の低い生徒が来ない。
このパターンが実は多いのです。
「学力が低い子は、塾をよく休むなぁ。これでは、伸ばせないじゃないか」と思っていました。
なぜなら、勉強とはこれまでの積み重ねです。
特に数学は、少しでも抜けているところがあると、その先は必ずつまづきます。
その他の教科でも、休んで受けられない授業があると、その次の授業はつまづきます。
勉強とは前回の授業と今回の授業がつながっていて、その連続性が非常に重要です。
前回習ったことが下地となって、今回の学習が理解できる。
勉強とはそのような作りになっているのです。
また勉強することで脳を鍛えることができます。
暗記しやすい回路ができます。
記憶力のいい子とそうでない子がいますが、それは生まれつきではなく、過去の勉強量です。
英単語の暗記に労力をかけてきた生徒は、短い単語なら見ただけで覚えるようになります。
ですので、塾を休まれてしまうと学習に穴ができ、その穴がネックとなって伸びるものも伸びないのです。
しかし、勉強が積み重ねであることを考えると、
「学力が低い子は、これまでの勉強の取り組み方の結果では」と思うようになりました。
つまり、「学力が低い子が休みやすいのではなく、休みがちなだから勉強が分からなくなるのだ」ということです。
休む理由は「体調不良」か「家庭の用事」です。
もちろん、「体調不良」は責めることはできません。
体調を崩しやすい子や、家庭の用事がよく入る子は伸ばしにくいと言っているだけです。
一方で、万難を排してでも塾に来る生徒がいます。
ご家庭の方針として、塾を優先してくれているのです。
そのようなご家庭には、本当に頭の下がる思いであり、
そのような子にはこちらも一生懸命になります。手抜きはできません。
私の塾では生徒の苦手な分野を見つけると、通常授業以外の時間に来てもらって補習をします。
私が「あなたが苦手なところを克服したいから、補習ができないか?」と提案すると、約束をきちんと守って来ます。
当たり前ですが、そのような子の成績は伸びていきます。
苦手な分野を前の学年に戻って指導して、分かるようになるからです。
一方、休みがちな子に対しては信頼を減らしていきます。
その子が悪い子だとは思いません。
ただ、「来ないかもしれない」ということを念頭に置いて指導していきます。
塾を優先してくれないと成績は伸ばせないということを話しはしますが、
これはその子の問題だけではなく、塾を優先してくれる家庭環境も同時に必要です。