「せんせーい、何を、どう勉強していいか分からないんですぅ」
という質問をしたのは入塾したばかりの生徒さん。
(はい、来ましたね、鉄板な質問。)と心で思いつつ、
「テスト前なんだから、やることは多いはずだよ」と笑顔で返しながら、焦りつつも勉強に着手できない原因を探っていきます。
「勉強の仕方」で悩む生徒さんは、いくつかのタイプがあります。
1、何から手を付けるべきかの優先順位がつけられない。
2、「勉強の仕方がわからない」ともっともらしい理由を言って、本当はやりたくない。
3、勉強する体力(イスに30分座るとか)がないので、お尻がモゾモゾ、ソワソワする。
落ち着いて座っていられない。つまり勉強の習慣がついていない。
4、やる気もある、落ち着いて座れる。でも、分からないところが出てくるともう進まない。
解説を読んでも理解できない。つまり基礎力がない。
上記の1から4のどれか1つ、あるいは複合しています。
質問をした生徒は入塾して間もないですが、落ち着いて座っていられるし、基礎力もまぁある。
しかし、自分の得手不得手の分析、テストまでの計画を立てたことがないと分かりました。
テストをどう攻略するかと考えたことがないし、そのような経験もしてきていない、ということです。
そのような生徒にできていないことをくどくど話しても生産的な時間になりません。
自分の苦手なことを指摘されてやる気が出る人は一部です。
それで、今回は私と一緒に計画を作ってみることにしました。
時間をかける必要のある教科、テスト範囲の広さ、テストまでの日程を加味しながら計画を立てていきます。
今まで計画を立てたことがない生徒に、「計画を立てなさい」と言っても難しいでしょう。
りんごを見たことがない人に、「りんごを描きなさい」と言っているようなものなので。
山本五十六の有名な言葉があります。
「やってみせ、言って聞かせて、 させてみせ、 ほめてやらねば、人は動かじ。」
まずは一緒に計画を立てる。進捗状況を確認しながら、軌道修正していく。
そして成果について話し合う。
という感じで進めていきます。
計画を立てるときに、計画通りに行かないことを恐れて躊躇する生徒がいます。
そのような生徒には「うまくいかなくてけっこう。次に絶対つながる」と話します。
「次はもう少し実行できたことを増やそう」
「計画に無理があったなー」
「英語を増やすべきだったなー」
そんなふうに、自分の取り組み方を客観的に見て、次への改善点が見つかればOKです。
テストはこれで終わりではなく、まだまだ続きます。
うまくいかなかったことは、次への反省点として次へ生かせばいいのです。
テストを攻略するものだとの意識をもつこと、攻略の仕方を今年一年かけて教えていきます。
そしてゆくゆくは、その子が人生の中で壁にぶつかる時、「攻略する」という見方で物事と向き合っていくことを願っています。