当塾の生徒さんで、沖縄県立中学校(開邦中学、球陽中学、緑が丘中学)を受験する生徒さんがいます。
その生徒さんを指導するにあたり私自身が過去問を解いて傾向をつかみます。
今日は国語の傾向についてシェアしたいと思います。
国語の大きな傾向である「1つの大問に3つほどの資料が提示される」について書いていきます。
最新の過去問である令和2年度入試の国語の問題で、
大問1に資料は2つ、大問3も資料が3つ出されます。
これは大学共通テストや、沖縄県立高校の入試も同様です。
その資料は3つとも、1つのテーマについて異なる視点から書かれたものです。
令和2年度の過去問では「『~したいと思います。』という断定を避けた表現」について、
資料Ⅰでは外山滋比古さんという著名な批評家が「その表現を私はよく使うが、断定を避けることが良いとも限らないので気を付けよう。」と語っていいます。
資料Ⅱではニュース解説などをしている池上彰さんが「この表現は回りくどく、簡潔でない」という趣旨のことを皮肉をこめて書いています。
受験生は、2つの資料の要旨を正しく読み取る必要があります。
しかし、著者の2人は、他の意見への言及や、皮肉を込めた書き方をしているため、筆者の主張が簡単に把握できません。
また、記憶力が強くない生徒は、誰が何と言っているからを、読んだそばから忘れていくでしょう。
その際は誰がどのような主張をしているかをメモする必要があります。
では、筆者の主張を正しく読み取るにはどのような対策があるでしょうか。
それは
「言い換えられている部分をとらえる」ことが大切です。
文章とは、1つのことを伝えるために、筆者は手を変え品を変え、つまり、具体例を出したり、違う言葉で言い換えたりします。 最初に抽象的な難しいことを言ってても、読者が分かるように易しい言い方をして補足してきます。易しく言い換えられた部分を捉えることです。
文章を書く人はいじわるなひとではありません。
伝えたいことがあって書いています。
よって、一見難しそうなことを書いていても、「伝わってほしい」との思いから、具体例や簡単な言葉で言い換えて補足しています。
その補足を捉えるヒントになるのが、小問です。
言い換えで使われる接続詞(「つまり」や「たとえば」、「なぜなら」)を問うてきたり、言い換えられた言葉を問うてきます。 それに答えながら、文章全体像をつかむことに受験生は懸命になるべきです。
言い換えをつかめるようになると、難しかった文章が意外と楽に把握できるようになります。
もちろん練習が必要です。(もし練習を積みたい場合は、福嶋隆文先生の著書がお勧めです。)
国語力はすぐには身に付きませんが、練習を積めば着実に身に付きます。
中学受験は慣用句、ことわざ、四字熟語なども出題されます。
学習することが多すぎて何から手を付ければいいのかわからないこともあるかと思います。
しかし、少しずつでも前に進めるように日々コツコツと学習を積んでほしいです。